【やっとの対面、そして邂逅 カンパーニャ嬬恋】その1

一輪駆動

2019年11月03日 18:24




金曜の仕事は午前1時で終わった。

もう土曜ではないか。

風呂に入ってメシ食って2時。

一時間だけ仮眠して、出発しよう。

途中、台風の影響で片側通行の箇所も多いと聞く。

何しろ渋滞が嫌い。

誰でもそうか…






しかし緊張で眠れない。

これから向かうカンパーニャ嬬恋の主、GRANADAさん、そして双子の母ぴこさん、コワモテと噂の羅偉さんとお会いするかもしれないからだ。

お三方ともナチュログにて、大変お世話になっている方々だ。

結局、寝る事も出来ずにエンジンを始動した。


















途中、国道は三箇所に渡って片側通行となっていた。

山側は右手になるが、明らかに右から左の谷へ、地図上で言う川とは違う新たな流れが出来ていた。

水の流れはごく僅かとはなっていたが、濁流に乗って流されてきたと思われる葦などの植物が、大量にガードレールに絡みついている。

台風の爪痕だ。
















8時に赤い看板の前に到着。

GRANADAさんの記事で、頭の中にイメージはかなり出来ている。

アーリーチェックインが出来ればとの淡い期待で受付へ向かう。

表ではいくつもの箱を積み上げるスタッフの姿が見られた。

目が合うと必ずあちらから挨拶。

このホスピタリティがこのキャンプ場の人気の秘密か。





受付の説明で、じゃが芋2kgのサービスがあると言う。

先ほどの箱を準備されていた姿はそれだったのだ。

これだけのホスピタリティにゴミ捨てOK、それに加えてじゃが芋を振る舞うとは。

道志フリークとしては、ゴミ捨てOKはとても大きなポイントなのだ。

特にキャンツーの際は。









さあ、似非軍幕の初張りだ。

初張りのこのドキドキ感はどうだ…

初めて学校以外の場所でデートした時の様にウキウキしてしまうのだ。

俺、52歳だぜ。

大丈夫なのか、自分。











標高1,300mの高原は、風もなく穏やかな陽光が差している。

昼はまだ暖かい。

日が暮れてからは最低2度予想。

果たして今シーズン初アルパカさんの出番はあるのか⁉︎









幕付属の白のガイラインが何ともなあと、注文を決定する前から思っていた。

幕体オリーブドラブであれば、綱はやはりカーキ系でしょっ!っとパラコードの余りはクルマに積んできた。

設営する前から、先ずはガイライン交換を目論むヤツはやはりド◯態なのだろう。














しかしペグ本数が多いな。

タープ寝に慣れた者としては、風の強さを勘案しながら、いかにペグ本数を減らそうとダメおやじ振りを発揮している日常からすると、この多さは試練の第一歩である。



幕に6本、ポール引っ張り用に4本、キャノピー張り出し用に2本…

足りんのか、持ち合わせのペグ。

早くヱビスを開けたくて、ペグ打ちとビールを天秤にかけている自分がいた。









15分もかからないで、似非USパップは立ち上がった。

これこれ、この地べたスタイルに長く憧れてたんだな。

腰に爆弾を抱えてるので、ウールブランケットに胡座をかくのは危険なので、代案あぐらイスで当座をしのぐ。












おっと、鹿番長のローテーブルを忘れた事に気付いた。



すべて地べた置きか。



超ロースタイルに慣れない身としては、ソロで時間もある事も相まって、昼のリビングも作ってしまった。













するとサイト目の前の通路をワンちゃんと散歩をしている御仁が。

穏やかに微笑を湛えた、自分より少し年嵩の紳士。

なんとなく空気を感じた。






失礼ですが、もしやGRANADAさんでは?

紳士は微笑を打ち消し、途端に訝しげな表情となる。



あの〜、一輪駆動と申します。

「あーあー、台風の時にしりとりをされた一輪駆動さんですか!」




枕詞が面白い。

その一言だけでお人柄が分かるというものだ。

重篤な病気が発覚したはなちゃんがいる。

我が手を鼻前にかざし、ワルいやつではないとの儀式を終え、御身に触れさせていただく。

するとお腹を仰向けにして、腹をさすれと言わんばかり。

これが噂のヘソ天か。




去りし日に読んだエピソードが、目の前の映像と合致した。



コレ、とても妙な気分。



先に勝手なイメージ在り、それを目の前の映像が補完する。

後ほど、ウチより景観の良いGRANADAさんサイトを訪問。

経験とは大きいもの。

流石のカンパーニャの主。












やっとヱビスに辿り着いた。

やけにシイタケとエリンギのバターソテーが食べたくて。














サニタリー下のサイトとは、GRANADAさんから聞いていた。

ぴこさんの別宅である。

到着が遅くなった様で、据え付けの焚き火台だけがポツンと。

サイトを抜けた草原に撮影に向かった時に、ミニとは言えあの大きなミニカマをお一人で颯爽と設営されるママが目に留まった。

横では双子のチビちゃん達がちょこまかしていた。



誰だ、お前⁉︎

ってな表情をされたぴこさんではあるが、






「はなちゃんのおじちゃんとは違うヒト⁉︎」

との双子ちゃんの言葉で一気に和んだ。

こどものチカラはコレほどまでに凄いのだ。

その後、我がサイトに遊びに来た双子ちゃんとしばし遊ぶ。





もぐらの掘り起こした土山に興味津々。

掘って顔を出した順に20個程の土山があったが、拾った枝で全ての穴を、



「もぐらさん、いないねー」



と会話しながら、もぐら探検隊に従事した。











羅偉さんサイトを探して三千里。

グロッケ、グロッケと。

薄暗い林間サイトでは識別が難しい。

なんたってご本人の顔を存じないのだから。

目印はリップスポイラーとグロッケとペコタンととびきりの笑顔のみ。




俺はオリエンテーリングをやっているのか。




それなら地図を貰わないと。











おや、このサイトサインはナチュログ界隈では有名なもの…

「そこに炎という…」




かずみさんじゃない!




かずみさんのサイトはハッキリと分かったので、一つマスが埋まった。

クロスワードパズルかい…

ではかずみさんにご挨拶をしようかと、呑んでは散歩しサイト前を4往復くらいウロつく。

ストーカーで訴えられても文句は言えまい。







かれこれ5往復目になろうとした矢先、

先ほどのかずみさんサイトの前で声をかけられた。




「もしかして一輪駆動さんですか⁉︎」




見ると唐獅子模様のグレイシャツに髭の男性。

んっ、俺の52年間の人生の中で、唐獅子模様の知り合いはいないはずだが…




ハッ、ハイ、そうですが…

「はじめまして、ライです!」




ナヌっ、確かにとびきりの笑顔…

あっ、ペコタンもいる!

見慣れたサイトサインの前で、3人で談笑されていたので、かずみさんでは無いだろうと踏んでいたのだ。

なにせ羅偉さんはソロでいらしてると思っていたからだ。

先入観とは怖いもので、かずみさん+羅偉さん=2人と頭は完全に思い込んでいた。

だから3人という時点で、向かいのサイトがまさか羅偉さんのものとは思っていなかったのだ。








羅偉さんはこんなヌクヌクサイトで野遊びを…














一方の薪スト師匠のかずみさんは、ロストル8kgを敷いた薪ストで…












出会い系で実際に会う時には、こんなに大変なのか…

この例えはこの辺でやめておこう。









翌朝、薪ストーブについての奥深いレクチャーを受けた。

それだけは決して足を踏み入れてはいけないと自分を律していたが、薪ストーブメーカーお二人の営業トークの前ではタジタジ。

初下ろしの偽軍幕の前で、薪ストをインストールするには、煙突をこう出して、横出しと縦と1対3でとの、まるで住宅展示場に来た若いカップルの様に、ただただ頷いていた。

























旨い焙煎コーヒーをいただき、我がサイトに戻る。

見事な秋色に惚れ惚れしていると、倒木から薪を切り出している方々が。

ファミリー層が殆どのこのキャンプ場で、生木を集める方がいらっしゃるとは…






少し歩くと、山の様にノコで切り出した、自然の恵み、生木薪をうず高く竃の横に積み上げたサイトに出会った。

似非ブッシュクラフターとしては見逃せない。









ちょっとお写真いただいてもよろしいですか⁉︎

「あ〜、どうぞどうぞ!」と、火付け箱まで開封してくださった。

シツコイほどにいいなあ!を連呼していると、こうしたザ・生木でトライポッド、ザ・生木で焚き火を好む会の会話から、ブログをやってらっしゃる事、聖地一の瀬の話題と広がっていった。





「ブログやってらっしゃるなら、うちけんさん知ってます⁉︎」

うちけんさんと言う方は存じ無いですが、ウチクテンさんは知ってますよ。

「そうそう、そのうち。さんです。我等の師匠ですよ!」

アハっ、こんなところで、うち。さんの話題に出くわすとは!




世間は狭い。

SNSのお陰で、更に狭くなってきたのであろう。




うち。さんの有名っぷりに驚きながらも、ブッシュクラフターサイトを後にした。










さあて、このキャンプのメインテーマ、辛子明太子を炙って呑むとするか。





おや、似非軍幕の初張りがメインでは無かったか⁉︎

それよりも何よりも、「かけがえのない出会い」、それがメインだったのだな。
























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